専門specialty
総合診療チーム
診療内容treatment
総合診療
小児の総合診療班としてcommon disease(肺炎/喘息などの呼吸器疾患、胃腸炎などの消化器疾患)などに加えIgA血管炎、川崎病、尿路感染症など幅広い疾患を有する患者さんの外来診療から入院診療まで担当しています。
総合班で特に意識して行っているのが診療連携です。院内では他科や他職種の皆様と協力して診療を行い、患者さんのトータルケアにおいてはかかりつけ医の先生方と連携して地域に密着した診療を行っています。
総合班の中には腎臓や内分泌代謝を得意とする医師が在籍し、それぞれの専門分野の疾患(詳細は下記を参照ください)を有する患者さんの診療も併せて行っています。
腎臓
学校検尿の精密検査、糸球体疾患(腎炎・ネフローゼなど)、尿細管疾患(デント病、尿細管性アシドーシスなど)、先天性腎尿路異常(Congenital Anomalies of the Kidney and Urinary Tract; CAKUT)、全身疾患に伴う腎合併症、腎不全および夜尿症などの診療を行っております。外来では月、水、金曜の午前および木曜午後に小児腎臓専門医が診療にあたり、入院は随時お受けしており、腎生検や急性血液浄化も行っております。お子さんの腎臓および排尿に関しご心配のある方はどうぞご相談ください。
内分泌代謝
内分泌ホルモンの異常では成長や思春期時期の異常という症状が出現することがあります。
これらの異常に対して成長ホルモンをはじめとした各種内分泌ホルモンの補充療法や、バセドウ病に対する抗甲状腺療法、思春期早発症に対する性腺抑制療法を行っています。
その他にも下記のような診療を行っております。
- 骨系統疾患に関しても幅広く診療しており、骨形成不全症、低ホスファターゼ症、低リン血症性くる病に対する特異的治療も行っています。
- 性分化疾患への対応も可能です。
- 糖脂質代謝に関して、糖尿病に対するインスリン療法(SAP療法も含む)や、小児の脂質異常症に対する早期介入などを行っています。
- 小児がん経験者(CCS)、重症小児患者、新生児患者などの内分泌代謝障害診療も他のチームと協力して行っています。
- 必要に応じて遺伝学的検査も積極的に行っています。
外来での初診患者さんの予約は随時受け付けておりますので予約センターにお問い合わせください。
研究内容studies
腎臓
腎臓班では小児腎臓病の原因究明と治療法の開発に向けて様々なテーマに対して多角的な研究を行っています。小児科スタッフ、大学院生の他、腎臓内科からの研究生、他大学の研究生、修士大学院生が研究を行なっています。
主な研究内容の紹介
(1)先天性腎尿路異常の原因の解明
CAKUTは小児腎不全の原疾患の40-50%を占める最大の原因疾患です。当研究室では、網羅的遺伝子解析とノックアウトマウスの解析によりCBWD1という遺伝子を新たなCAKUTの原因遺伝子を見出しました(J Am Soc Nephrol. 2020)。今後も腎臓発生メカニズムの解明、CAKUTの発症機序の解明を目指した研究を行っていきます。
(2)蛋白尿の病態解明
蛋白尿の発症機序の分子メカニズムはまだ不明な点が多くあります。特に小児ネフローゼ症候群は依然として原因は不明であり、作用機序の分からないままステロイド薬や免疫抑制薬を使用しているのが現状です。私達はネフローゼ症候群発症に関与すると思われる様々な分子の相互作用、シグナル伝達について細胞や動物を使用して詳細に解析してきました。他施設との共同研究も盛んに行い、最近、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群症例に関する研究成果がまとまりました(Kidney Int Rep. 2019)。こうした成果が近い将来に蛋白尿やネフローゼ症候群の病態解明と新規治療薬の開発につながることを願っています。
(3)尿を用いた新しい腎臓病診断法の開発
現在の尿検査法では早期に発見することが困難な腎臓病がたくさんあります。これらを検診等で診断し治療に結びつけるための研究を行なっています。
内分泌
私たち内分泌代謝グループは、ホルモンの異常による内分泌疾患、小児糖尿病・低血糖症や各種代謝疾患に対して様々な研究を行っております。診療と並行して、遺伝性疾患の原因遺伝子を同定したり、疾患の発症機序の解明を遺伝子・分子レベルで明らかにしたりしてきました。現在も、まだ原因が解明されていない疾患の原因を明らかにすることや、疾患発症機序に基づく新規治療薬の開発を目標として、研究をすすめています。
主な研究内容の紹介
- 遺伝性くる病の病因・病態解明に関する基礎的研究
- ビタミンD欠乏症(くる病、低カルシウム血症)に関する基礎的および臨床的研究
- 内分泌代謝疾患の新たな原因遺伝子同定と機能解析
- 内分泌疾患の既知遺伝子の解析
患者さんありきの臨床に根付いた研究を行っております。小さな研究室ですがアットホームな雰囲気で様々なライフプランに応じた研究生活が送れると思います。学生指導から女性のキャリアプランの支援など、色々な人が研究力を身につけることで医学と人生をより豊かにすることを目指しています。興味ある方は是非ご連絡ください!
大学院postgraduate
小児科総合班の研究室は腎臓班・内分泌班の2つがあり、東研究棟3階の小児科実験室を中心に、Clinical Research Center棟、生命化学実験棟などで研究を行っています。腎臓班ではネフローゼ症候群・腎炎や先天性腎尿路異常を、内分泌班では遺伝性くる病や低身長を主な対象として、新規原因遺伝子の同定と発症機序の解明、分子相互作用の解析をin vitroからvivoまで幅広く研究しています。関連病院外来とも連携して共同研究体制も構築しています。大学院の講義は必修以外にも自由に選択することができ、分子生物学実験の具体的な手法や先輩研究者のリサーチマインドに触れることができ、研究生活の糧となります。
当研究室には、研究者それぞれが班の垣根を越えて実験に関する疑問や日頃の臨床で気になっていることを忌憚なく相談できる美点があります。お互いの休日が合うときには登山などの共通の趣味を満喫し、次なる研究へと向かう活力を涵養しています。
スタッフstaff
- 張田豊(腎臓)
- 神田祥一郎(腎臓)
- 梶保祐子(総合診療・腎臓)
- 絹巻暁子(総合診療)
- 田中裕之(総合診療・内分泌)
- 足立夏帆(総合診療・内分泌)
- 谷口留美(総合診療)
- 佐藤綾美(総合診療・内分泌)
- 長澤武(腎臓:大学院生)
- 千葉有美子(内分泌:大学院生)
- 西村竜哉(腎臓:大学院生)
OB&OG(2019年度以降)
- 中野栄治
- 吉田賢弘
- 大和田啓峰
- 高橋千恵
- 滝澤慶一
- 藤澤佑介