専門specialty
小児循環器
専門班紹介about team
小児循環器学会修練施設として、幅広い小児心疾患の診療を行っています。小児心疾患は命に関わる重篤な疾患が多く迅速な判断が求められますが、エビデンスに基づいた着実な判断を行う事で、より多くのこどもたちを助けることを目指しています。特に先天性心疾患では、「胎児期から成人期まで」を生涯にわたる患者のケアを行えるような体制を整えています。
診療内容treatment
- 外来は火曜日以外の月、水、木、金曜日に専門外来を行っています。小児科外来には心エコー室があり、初診の場合でも当日に診断、方針決定を行っています。胎児心エコー検査は、月曜日・金曜日午後(毎週)に産婦人科外来で行っています。また小児肺高血圧外来(月)、成人先天性心疾患外来(木)、マルファン外来(木)、小児不整脈外来(月)、血管機能外来(金)、小児移植外来(金)などの特別専門外来も開設しております。
- 2021年は心臓カテーテルは180例、そのうちバルーン拡張やコイル塞栓、カテーテルアブレーションなどのカテーテル治療を80例施行しております。
- 東大病院の特徴としては、新生児期に重症複雑心奇形で紹介搬送される患者さんの割合が非常に大きいことです。完全大血管転位症、左心低形成症候群、総肺静脈還流異常症、複雑心奇形を合併した無脾症候群、単心室症などが多い疾患です。手術を行う心臓外科小児チームと定期的な合同カンファレンスを行い緊密な連携を持って診療に当たっています。他院からの治療困難症例の相談にものっています。
- PICU(小児集中治療室)に入室する患者の多くが心臓疾患であるため、小児集中治療チームと心臓外科小児チームと協力して、心疾患の術前・術後管理を行っています。24時間365日、劇症型心筋炎などを含む小児の心臓疾患に対応できるようにしています。
- 当院は小児心臓移植実施施設に認定されています。移植適応委員会を行い小児症例も含め心臓移植の適応について判断しています。また、小児用補助人工心臓など含めた重症心不全治療も行っています。
研究内容
- フォンタンの長期予後に関する研究
- カテーテル治療の合併症頻度とそのリスク因子の研究
- 小児期発症重症心筋症の変異データベース構築と疾患モデル動物を用いた分子機構の解明
- 小児心疾患における単一心拍からの前負荷導入心室一回仕事量の算出方法の検証
- 心不全発症に関与する新規分子の探索
- 右心不全におけるcGMP-PKGシグナルおよびGqシグナルの作用機序の解明
- 血管内皮細胞のずり応力に対する応答機構について
- 小児心電図の機械学習を用いた解析
- 心臓流出路の形態形成のメカニズムの解明
対象疾患target disease
- 先天性心疾患
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症、房室中隔欠損症、ファロー四徴症 両大血管右室起始症、大血管転位症、総動脈幹症、肺動脈弁閉鎖症、三尖弁閉鎖症 肺動脈弁狭窄症、末梢性肺動脈狭窄症、大動脈弁狭窄症、僧帽弁逆流症、エプスタイン奇形、単心室症、総肺静脈還流異常症、部分肺静脈還流異常症、左心低形成症候群 大動脈縮窄症、大動脈弓離断症、左冠動脈肺動脈起始症 - すべての心奇形に対応可能です
- 不整脈
- 原発性および二次性肺高血圧症
- 心筋炎・心筋症
- 弁疾患
- マルファン症候群
- 川崎病
- 心膜炎
- 胎児心臓病(産婦人科と協力して、胎児心エコーを行っています)
- 成人先天性心疾患(循環器内科・心臓外科と協力して対応しています)
週間予定weekly schedule
- チームカンファランス(症例検討会):毎週月曜日15時~
- 心臓外科・小児科合同カンファレンス: 毎週火曜日15時~