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専門specialty

小児血液腫瘍

診療班紹介about team

小児の血液疾患や固形腫瘍の治療、造血細胞移植を行っています。小児がんの診療体制は我々小児科のみならず小児外科、放射線診療部、病理診断部の医師と連携して診断・治療にあたります。関係する部門との密接な連携によるチーム医療で取り組み、化学療法・手術・放射線療法を組み合わせた集学的医療を行っています。

さらに、診療の視点と病態研究の視点を融合させ、小児血液疾患や小児がんのあたらしい診断法や治療法の開発を目指して、その発症原因や新しい予後因子の究明など、小児がんの治療成績を向上するための橋渡し研究を行っています。

診療内容treatment

貧血・血小板減少や免疫異常症などの非悪性血液疾患や、白血病、リンパ腫、組織球症などの造血器腫瘍や、脳腫瘍、神経芽腫、網膜芽腫、肝腫瘍、腎腫瘍、骨軟部腫瘍など固形腫瘍の診断や治療を行います。また、ゲノム医療中核拠点病院としてゲノム医療の体制も充実しています。

日本小児がん研究グループ(JCCG)の参加施設として、多施設共同臨床試験に参加し、わが国での標準治療の確立と向上に向けて、その一助を担っています。

また白血病や骨髄不全症、免疫異常症などの血液疾患に対する骨髄移植やさい帯血移植、神経芽腫など悪性固形腫瘍に対する自家末梢血幹細胞移植などの造血細胞移植を行っています。当院は一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会による移植認定施設となっており、非血縁骨髄移植やさい帯血移植にも十分な知識と技術を持っております。

外来は、すべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です

当科では、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センターで予約をお取りになってから来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。

研究内容studies

臨床診療と基礎研究を同時に行うことが可能であるのが大学病院の強みです。基礎研究が治療に結びつくことで医学は発展してきており、その一端を担う成果を出しています。

白血病の病態解明に関わる研究

次世代シークエンサーなどのゲノム解析手法を用いて白血病などのゲノム病態の探索を行なっています。これまでに急性Tリンパ性白血病においてSPI1融合遺伝子(Seki M, et al. Nat Genet. 2017 Aug;49(8):1274-1281.)を同定したのをはじめ、NUDT15多型と急性リンパ性白血病の治療経過の関連(Yoshida M et al. Blood Adv 2021)や、急性リンパ性白血病の維持療法の役割(Kato M et al. Leukemia 2017)など、白血病の病態の理解を深める発見をしてきました。臨床的な経験に基づくphysician scientistとしての視点を生かした研究に取り組んでいます。

神経芽腫の病態解明に関わる研究

神経芽腫発症に関与する遺伝子を解明し、新規治療法を開発することを目的とし、多層的オミックス解析による検討を行っています。これまで当研究室ではマイクロアレイをもちいて神経芽腫におけるALK チロシンキナーゼ変異を同定し、神経芽腫発症に関与している事を突きとめました(Chen Y, et al. Nature. 2008 Oct 16;455(7215):971-4.  Okubo et al. Oncogene) 。この発見により神経芽腫でALK阻害剤が使われ始め、研究から臨床現場への応用に役立つ仕事ができました。

肝芽腫の病態解明に関わる研究

肝芽腫の分子基盤解明を目的として、マルチオミックス解析を行い、肝芽腫はDNAメチル化のパターンにより3群に分類されることを見出しました。それらは病理像、発症年齢、予後といった臨床的特徴とよく相関していました。さらに、高リスク肝芽腫においてODC1が治療標的たりうることを見出し (Sekiguchi M, Precis Oncol 2020)、予後不良なタイプの肝芽腫の新規治療法の開発に着手しています。

上記のほかにも、当研究室では全ゲノムシークエンスやRNAシークエンスなどの網羅的ゲノム解析を精力的に行なっており、胸膜肺芽腫の標的分子の同定(Seki, Cancer Res 2014)、横紋筋肉腫の新規分子診断バイオマーカーの発見(Seki, Nat Commun 2015)など、幅広く小児がんに渡るゲノム異常の同定を行っています。これからも多くの小児がん発生に関わる異常を発見することで、得られた結果から新規治療法の開発につなげることができる様に研究活動をしています。

業績achievement