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小児の血液疾患・小児がんについて

横紋筋肉腫とその治療について

この文書は「横紋筋肉腫」について、保護者の方からいただくことの多い質問について説明したものです。あくまでも一般的な内容ですので、ご不明な点については担当の医師にご質問ください。

1.横紋筋肉腫とはどのような病気ですか?

横紋筋肉腫は「がん」の一種です。がん細胞とは、正常な細胞であったものが、「正常な機能を持たないまま」「過剰に増殖してしまう」細胞です。がん細胞ができた臓器によって「胃がん」「肺がん」などになり、筋肉のもとになる細胞ががん化した病気が「横紋筋肉腫」です。

横紋筋肉腫はかたまりを作って大きくなる固形腫瘍のひとつで、日本では年間に50~100人のお子さんが発症しているとされています。

2.横紋筋肉腫になるとどのような症状がでますか?

横紋筋肉腫の細胞は、全身の筋肉のあらゆる個所からできるため、さまざまな個所でかたまりを作ることで気づかれることが多いです。外から触れてもわかるようなしこりで気づかれることや、眼の周りにできると眼球が突出したり目が見えにくくなったりすることもあります。また、膀胱などにもできるため、尿が出にくくなることで見つかることもあります。

また、横紋筋肉腫は体中のいろいろな場所に転移することもあり、転移した場所によりさまざまな症状がでることがあります。骨髄(骨の中にある血液をつくる場所)に転移すると、血液を作る力が抑えられてしまい、正常な血液の細胞(白血球・赤血球・血小板)が減ってしまいます。

それぞれの横紋筋肉腫には個人差がありますので、すべての方に同じ症状がでるわけではありませんが、横紋筋肉腫の細胞はどんどん大きくなるとこれらの症状が進行し、命に関わる状態になってしまいます。

3.横紋筋肉腫の診断にはどのような検査を行いますか?

血液検査などでは横紋筋肉腫かどうかを判断することはできません。MRIやCTなどの画像で「横紋筋肉腫の可能性がある」と推測できることがありますが、診断を確定するためには手術で細胞の一部をとって(生検[せいけん])、顕微鏡で観察することが必要です。

また、横紋筋肉腫の治療を決定するために、「病期」という考え方が必要です。横紋筋肉腫の細胞の体への広がりの程度が「病期」であり、病期によって最適な治療が異なるため、CTやMRIなどをつかって腫瘍の局所の状況を詳しく把握するとともに、他の部位に転移があるかどうかを調べます。横紋筋肉腫は骨髄の中にも転移することがあるため、骨髄検査も行います。

4.組織型(胎児型・胞巣型)とはなんですか?

横紋筋肉腫は顕微鏡での見た目や、腫瘍の性質をゲノム検査で調べた結果などで、おおきく二つに分類されます(その他の稀な組織型もあります)。一般的に、胎児型のほうが年齢が小さい(10歳未満)患者さんに多く、胞巣型のほうが年長(10歳以上)の患者さんに多く発生します。胞巣型のほうが薬が効きにくいことが多いため、治療の強化が必要です。

5.横紋筋肉腫にはどのような治療が行われますか?

横紋筋肉腫は抗がん剤が効くことが期待できることが多いので、抗がん剤による治療(化学療法)が治療の中心となります。そのため、最初にあるかたまりを全部取っても困らない(機能的に影響がない)場合を除き、最初の手術は診断を確定させるための生検にとどめておき、化学療法で縮小させることを目指すのが一般的です。

しかし、化学療法のみで治すことは難しく、通常は手術と放射線療法を併用します。実際の治療にあたっては、病期と組織型、発症した場所などを総合して、必要な治療の強度をおおまかに3段階(低リスク、中間リスク、高リスク)にわけて治療の内容をきめます。

低リスク群に対しては、オンコビン(ビンクリスチン)とコスメゲン(アクチノマイシンD)を中心とした治療が行われます。エンドキサン(シクロホスファミド)が使われることもあります。

中間リスク群に対しては、オンコビン、コスメゲン、エンドキサンを組み合わせた「VAC」と呼ばれる治療を繰り返すのが一般的です。

高リスク群に対しては、最適な治療はまだ定まっておらず、中間リスクと同じVACが行われる場合や、そのほかの薬が追加されることがあります。

6.臨床試験とはなんですか?

横紋筋肉腫の治療をよりよいものにするために、国内外で「臨床試験」という形で治療が行われてきています。再発した場合などの特別な場合を除き、「試験」といっても効果が不確実な薬剤を試しに使うのではありません。横紋筋肉腫の臨床試験では、これまでに行われた国内外の治療を振り返り、さらに改善させようとした治療計画で治療を行います。ただ、その改善させたつもりの治療計画がほんとうに安全で効果があるのか、確認しながら行っていきますので「臨床試験」という言葉が使われます。日本を含めた世界各国で臨床試験が行われ、その結果を基にして新たな臨床試験を行う、ということを繰り返して横紋筋肉腫の治療は進歩してきました。

臨床試験には参加するための基準があります。現在行われている臨床試験に参加が可能であれば、担当の医師から臨床試験の治療計画の内容について説明を受けてください。担当の医師と相談しながら、臨床試験に参加して治療を行うか、もしくは以前まで行われていた治療で行うか、強制されることなく決めることができます。臨床試験に参加して治療を受けた場合でも、治療開始後の状況によっていつでも試験治療を受けるのをやめることができます。ただ、臨床試験に参加せずに治療を受けたのに、途中から臨床試験に参加することはできません。

7.治療中の学校などはどのようにすればいいですか?

低リスク群の場合、入院日数は短く済み、外来治療が可能なこともあります。中間リスク群や高リスク群の場合、約1年間の治療が必要になります。この期間はずっと入院しているのではなく、治療と治療のあいまに短期間の外泊や一時的な退院により自宅で過ごすことができます。

学校に通っていたお子さんは、必要に応じて院内にある特別支援学校に転校していただいて、治療中も学習の遅れが最小限になるようにします。入院治療が終わったら、それまで通学していた学校に復学することや、幼稚園や保育園などに通園することが可能です。

8.治療の副作用にはどのようなものがありますか?

横紋筋肉腫の治療には抗がん剤が用いられます。抗がん剤はおおまかには「増える細胞を倒す薬剤」なので、横紋筋肉腫の細胞に効果がありますが、正常な細胞で増える速度が速い細胞に影響が出ます。

増える速度が速い細胞の代表が正常な血液の細胞です。そのため、抗がん剤を使うと、血液を作る力が一時的に抑制されます(骨髄抑制)。ただし、抗がん剤の副作用は一時的なので、ある程度の時間が経過すれば血液を作る力は回復します。その回復を待つ間、赤血球や血小板の減少に対しては輸血を行って対応します。輸血については病院ごとに別の説明文書がありますが、アレルギーや感染症などの危険性があります。日本では、輸血に対する検査は高い精度で行われているため、輸血を解して感染症にかかる確率はきわめて低いですが、ないわけではありません。そのため、輸血の回数は最小限にとどめるようにします。

また、白血球の減少は輸血で補うことはできませんので、白血球の回復を促す薬を使いながら待つことになります。白血球の減少している間は免疫力が低下しているため、外泊に出ることはできません。熱が出た場合はたとえ元気であっても重篤な感染症になってしまう可能性があるため、抗生物質を早めに使うことになります。また、免疫力の低下している状態が長く続くと「ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)」という肺炎になってしまうことがあるため、予防するために「ST合剤(バクタ、ダイフェン)」という薬を週に3日飲むことが必要です。

白血球の減少中に感染症を発症すると、生命に危険が及ぶような危険な状態になることもあります。また、抗がん剤の影響が臓器におよび、重篤な合併症をきたすこともあります。例えば、中間リスクの横紋筋肉腫の長期生存率は約80%ですが、残りの約20%のうち、横紋筋肉腫の再発に関係するものがほとんどを占めます。ですが、化学療法の合併症による死亡率もわずかにあります。しかし、これらの合併症を避けるあまり治療を弱めてしまうと、横紋筋肉腫の治る確率が下がってしまいます。最終的に元気な状態で治る確率を高くするためには、一定の治療の強度が必要です。

髪の毛の細胞も増える速度が速いため、治療中は髪の毛が抜けてしまいます。抗がん剤が投与されると2週間後ぐらいから抜け始め、入院治療の間は髪の毛がほとんどない状態になります。入院治療が終われば髪の毛は生えてきますが、最初のころは少しくりくりした髪の毛のことが多いです。粘膜の細胞も増える速度が速いので、治療によって口内炎が起こったり、下痢をしたりすることもあります。また、抗がん剤は吐き気も引き起こします。これらに対しては、痛み止めや吐き気止めを使って手助けをします。

また、抗がん剤が体に入ることで、腎臓や肝臓に負担がかかることがあります。ほとんどの影響は一時的ですが、稀に機能の低下が残ることがあります。

そのほか、それぞれの抗がん剤に特有な副作用があります。例えば、「オンコビン」は便秘や手足のしびれなどの症状を起こすことがあります。便秘はひどくなることが多いため、便を柔らかくする薬を併用することがほとんどです。また、「エンドキサン」は膀胱炎をおこすことがあるため、点滴を多くして尿が薄くなるようにします。いずれも治療には重要な薬剤なので、それぞれに対策をして負担を最小限にすることをめざしつつ、治る確率が高くなるように治療を行います。

9.治療中にはどのような検査をしますか?

治療の効果を判定するために、定期的にCTやMRIなどの画像検査を行います。骨髄にも病気の細胞があった場合には、骨髄の検査も行います。

また、輸血の回数を最小限にするために、また、肝臓や腎臓などにダメージが起き始めていないかを確認するために、治療中は週に2-3回の頻度で採血を行います。治療薬を投与するためには点滴も必要なので、通常は中心静脈カテーテルをいれ、そこから点滴や採血を行います。

ヘモグロビン値が7ぐらいを目安に赤血球輸血を、血小板数1-2万ぐらいを目安に血小板輸血を行います。ただし、治療の内容や曜日の関係で、この数字よりも高くても輸血が必要なことがあります。また、中心静脈カテーテルを挿入するなど、出血の可能性がある処置をする場合には、前もって血小板の値を高めにしておきます。

10.中心静脈カテーテルとはなんですか?

横紋筋肉腫の治療に使う薬のほとんどは点滴で投与します。一般的に行うような手などに留置した点滴は、大抵の場合は3-5日ぐらいで薬が入らなくなり、そのつど点滴の針を刺しかえることが必要になります。また、「治療中にはどのような検査をしますか?」でもふれたように、入院中は頻繁に採血することが必要になります。

これらの採血や点滴留置によるお子さんの負担を減らすために、中心静脈カテーテル(CVカテーテルともいいます)を使って治療するのが一般的です。中心静脈カテーテルは、首の血管や鎖骨付近の血管を用いて管の先端を体の中心近くの血管まで届かせるものです。体の外には鎖骨の下あたりから出てくる形になります。中心静脈カテーテルは、麻酔をかけて手術室で挿入します。

治療に関連した薬はごく一部のものを除いて中心静脈カテーテルから投与することができますし、採血もカテーテルから行いますので、体に針をさす回数は格段に減らすことができます。また、横紋筋肉腫の治療に使う薬の中には、皮下などに漏れると炎症を起こす薬剤もありますが、中心静脈カテーテルからであれば安全に投与することができます。予定された治療が終了した段階で、中心静脈カテーテルを抜きます。

その一方で、体に異物をいれておくことになりますので、中心静脈カテーテルにばい菌がついてしまい熱がでることがあります。その場合は原則としてカテーテルを抜く必要があります。また、抜けにくいように工夫がなされていますが、使っているうちに自然に抜けてしまうこともあります。

また、カテーテルの先端は血液の中にありますので、治療の合間などで使わない時も、固まらないようにするためにヘパリンという薬を薄めたものを定期的に通す必要があります(外泊などの際にはご自宅で保護者の方にお願いすることになります)。ただ、そのような対策をとってもカテーテルが詰まってしまう場合があります。詰まったカテーテルはやはり抜く必要があります。

11.治療中、特に気を付ける時期はありますか?

抗がん剤によって白血球が少なくなっている期間は、感染症が起こると重症になりやすい時期なので、発熱など感染症を疑わせる症状が見られた場合には速やかに抗生物質の投与を開始する必要があります。どんなに気を使っても、空気中にいるばい菌や自分自身の体にいるばい菌によって感染症を起こすことはありますが、感染症を起こす確率をなるべく減らすために、体調が悪い方の面会は控える、面会前に手洗いをする、などについては普段から気をつけましょう。

また、ご家族で、水痘(みずぼうそう)やおたふくかぜなどの「予防接種をしていない」かつ「かかったこともない」のであれば、予防接種をすることをお願いします。インフルエンザの予防接種もぜひお勧めします。

12.横紋筋肉腫は治るのですか?

化学療法や手術により、横紋筋肉腫の細胞が画像では検出できない状態になっても、検査では分からないわずかな量で横紋筋肉腫の細胞が残っているか、すべてなくなったかは判断できませんので、厳密に「治った」かどうかを確認することはできません。横紋筋肉腫細胞の病期や組織型など様々な要素を総合し、これまでの国内外の経験の積み重ねから最も治癒率が高いと推定される薬剤の量と期間で治療を行います。

横紋筋肉腫細胞が残っていた場合、治療終了後に増殖して症状が出現したり、検査で検出されたりすることになり、「再発」という状態になります。再発の多くは、診断されてから5年以内にみられます。すなわち、診断から5年たっても特に症状がなく、血液検査・画像検査にも異常がなければ、治った可能性は高いと考えます。

ただし、完全に再発の可能性がなくなるのは何年後か、ということはまだ分かっていません。そのため、厳密な意味で「治癒率」という言葉を使うことはできずに、「長期生存率」という言葉で表現します。実際には、5年が経過して再発がない場合、それ以降に再発することは例外的ですので、「5年後の再発なしの生存率」=「治癒率」と考えられています。

13.横紋筋肉腫はなぜ発症するのでしょうか?遺伝や環境は関連しますか?

細胞は分裂して増えていきますが、その増える量とスピードは体の中で制御されています。細胞が分裂して増える過程で、設計図であるDNAをコピーし、新たな設計図を使って新しい細胞を作ります。このコピーの過程で、遺伝子の配列に変化が起こることがあります。遺伝子の変化が積み重なると細胞増殖のコントロールがきかなくなります。これが、がん細胞です。

横紋筋肉腫の発症には、生活環境の影響は少ない、と考えられています。たばこと肺がんの関係はよく知られていますが、これは喫煙がこの「間違い」が起こる確率を増やすためと考えられています。

横紋筋肉腫は、特殊な場合を除いて発症の誘因となるようなものはなく、偶然の確率で起こる病気だとされています。がん細胞に起こっている遺伝子の変化のほとんどは、生まれた後に特定の細胞が遺伝子の変化を獲得したものです。ただし、一部で、変化した遺伝子を生まれつきもっているために遺伝的にがんを発症しやすい状況の人もいます。以前はこのような遺伝的背景を持つ方は稀だと思われていましたが、がんの研究が進歩し、遺伝子検査が発展した結果、小児期にがんを発症した方のうち4~5%にがんを発症しやすい遺伝的な背景があることが分かりました。特に、稀な組織型である退形成性横紋筋肉腫は、遺伝性腫瘍であるリ・フラウメニ症候群を背景に発症することもあります。

遺伝的な背景がある方は、複数のがんを発症することや、若い年齢でがんを発症することが多くなりますが、「必ずがんになる」のような明確なものではありません。また、遺伝的背景がなくてもがんを発症する方は多くおり、現在、日本では2人に1人ががんを発症します。タバコや生活習慣など、さまざまな他の要因と同じように、遺伝的な体質は「がんになる確率(リスク)が相対的に高い」という関与をしています。そのため、横紋筋肉腫と診断されたからという理由だけで、きょうだいやご家族の検査を行う必要はありません。

14.もっと早期に診断したほうがよかったのですか?

横紋筋肉腫の治癒率に一番影響するのは、病気の細胞自体の性質です。また、治療が不十分な場合も治癒率が下がります。つまり、治癒率をあげるためには、しっかりと横紋筋肉腫細胞の特徴をつかみ、それにあった治療を十分にできることが最も重要です。横紋筋肉腫のお子さんの経過を振り返ってみると、診断されるよりも以前から症状があったことがほとんどです。ただ、横紋筋肉腫の最初の症状は、なんとなく変だ・元気がない、など横紋筋肉腫に特有のものではない症状であることが多く、実際のそのような症状のお子さんのほとんどは横紋筋肉腫ではなく、一般の感冒(いわゆる”かぜ”)などです。症状が出始めた段階で検査を行えば診断できた可能性はありますが、横紋筋肉腫を早期に診断したとしても、最終的になおる確率には大きくは影響しません。

15.治療の終了後に残るような影響はありますか?

小児期に抗がん剤を使った治療を行うことにより、長期的に影響が残る(晩期合併症)ことがあります。特に、中間リスク・高リスクで用いられるVACという組み合わせでは、エンドキサンの合計量が多いため、性腺(男児なら精巣、女児なら卵巣)機能障害がしばしばおこります。

また、がんの治療を受けた方は、将来的に「がん」を発症する確率が少し上がることが分かっており(抗がん剤のみの治療の場合は約1-3%と推定されています)、「二次がん」と言います。しかし、現在、日本人の死因の中でがんはもっとも多く、抗がん剤治療を受けていない人でも約半数の方ががんを経験します。そのため、もし二次がんを発症した場合でも、抗がん剤治療と関係があるのか、つまり治療を受けなかったらその「がん」を発症しなかったかどうかは分かりません。二次がんは重要な合併症ですが、「治療の副作用にはどのようなものがありますか?」でも述べたように、過剰に治療を弱めることは、横紋筋肉腫の治る確率を下げてしまいます。そのため、横紋筋肉腫のお子さんが元気に成長して一生を過ごすことができる確率が最も高いと考えられる治療を行いたいと考えています。

16.退院後に気を付けることはありますか?

「横紋筋肉腫は治るのですか?」でも書かれている通り、再発の可能性はどの時期でも「絶対にない」と言い切ることはできません。ですが、生活の中の一般的なできごとが再発する・しないに影響することはありません。疲れたら再発しやすくなる、などということはありませんので、体力面で問題がない範囲で発症前と同じ日常生活に戻って構いません。ただし、入院によって筋力が落ちていることが多いので、通学を再開する最初の時期は短い時間のみからはじめ、徐々に時間を増やすことをお勧めします。

17.再発はどのような症状でわかることが多いですか?

治療が終わってすぐのころは1-2カ月に1回の血液検査を行い、定期的に画像検査を行います。症状が出る前に画像でかたまりが見つかることが多いです。

症状が出るとしたら、体のどこかで横紋筋肉腫の細胞が増えてかたまりをつくることが考えられます。体のどこかにしこりができて先に気づくこともあります。

ただし、「もっと早期に診断したほうがよかったのですか?」にもある通り、横紋筋肉腫の治療において早期に診断することは治療の最終的な結果には影響しません。これは再発時も同じです。ですので、上記のような症状がみられた時も、緊急で受診していただく必要はありません。

横紋筋肉腫に関係する症状であれば改善することはありませんので、しばらくは横紋筋肉腫と関係ないものとして対処をし、もし症状がよくなったら再発ではないと判断してください。改善が見られない場合や、症状がひどい場合は、担当医にご相談ください。

18.治療に関して公費負担の制度などはありますか?

横紋筋肉腫は「小児慢性特定疾患」の対象疾患です。市区町村の窓口などに申請をしていただければ、申請以降に横紋筋肉腫に関連した治療の費用は公費の補助が受けられます。ただし、横紋筋肉腫と関係ない病気(虫歯など)・けがなどは通常の保険診療で請求が発生します。また、小さなお子さんの場合のミルク代など、もともと保険診療に含まれないものについては負担額が発生します。